飼ってた鳥がいなくなった。
約10年前、朝 前のクライミングジムのオーナーの奥さんがうちのドアをたたいた。
「これどうしよ?」と手の中に素っ裸の雛。駐車場に落ちてたとのこと。
えー・・。どうしよといわれても、と思いながら受け取って、餌や水をあげるにも口を開かない。
親鳥が帰ってきたときの声を感知して口を開けるとのことで、「くわー」と声をかけて口を開けたスキに餌をねじ込んだ。
1か月ぐらいで半分は死ぬとのことで嫁は嫌がったが、あのまま放置していたらあと数時間の命だったので、数日だけでも生きていてくれたらいいのではないか?と説得。
「ま、死んだら犬でも飼うか・・」と、しあわせを押し付けられて約10年。ずーっと肩に乗ったまま。仕事中もマウス持つ右手首か左肩だった・・・
(光速エスパーが好きだった。肩にロボットの鳥が乗っていたのにあこがれた。と思っていたら自分がそうなった。肩や右膝がフンまみれになるのにすごく充実感があった。)
山口県周南市で保護犬引き取ることに。
押し付けられたしあわせは再現が難しい。
同じ鳥をあらたに手に入れる方法が無い。
インコやヨウムは温度管理が難しい。というか、ヨウムはこちらの寿命が足らない。足らなさすぎ。。
「えー保護犬?・・、山口県?」とペットロスMAXで泥酔の嫁を振り切ってロングドライブ。
周南健康福祉センター収容動物情報
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/site/doubutuaigo/10022.html
周南市は野犬が増殖しているようで、多い年で年間800頭も捕獲保護していたらしい。
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%91%A8%E5%8D%97%E5%B8%82+%E9%87%8E%E7%8A%AC
保護から施設に居られる期間は1週間。その後は愛護団体が保護、引き取り手を待つ。
仔犬は一般の引き取り手が優先で到着順に引き渡される。1週間後は譲渡会業者、もしくは愛護団体がこれも到着順で保護する。
引き取り希望の電話連絡。
山口県周南総合庁舎3階の周南健康福祉センターで受付(朝9:00開庁)駐車場有り
個体の予約不可。到着順で引き渡し。多頭OK。基本的除虫、5種ワクチン接種済。チップ埋め込み済み。
無料。
「大阪からです~遠かったです・・」
「大阪?おつかれさまです。でも、東京から来られる方もおられまますよ。すごいですね。業者の方ですか?」
「うーわ、東京から?すんごいですねー。オートクルーズ無かったら無理でしたよー。業者ではないです。個人です。鳥のペットロス真っ最中です。」
保護施設のケージを開けて面会。6兄弟で1つのケージに入っていた。HPで目星をつけていた半眼で見透かしたようにカメラのレンズを困り目で見据えていた写真の子が寄ってきたので即決。と、言うか長居したくなかった・・(他にもかわいい子はいたが一番ぶすかわを選択した。目つきにヤラレタ。)
6兄弟以外にも成犬も含めて10匹ぐらい居たが、その中から1匹だけしか救出することができない罪悪感がすごかった。
この罪悪感を担当者の方も飼育員も持っていることは想像できる。
限られた施設と機材と期間での対応の心的仕事量は計り知れない。
「本当は2匹、“メス+メス”で連れて帰れたら賑やかでいいんでしょうが・・」
「2匹連れて帰ります?」
「いえ、世話しきれないので。」
いろいろ興味本位で聞きたいことはいっぱい有ったが、心を抉るだけになりそうなので、ささっと書類に記入し、注意事項を聞いてキャリーに入れて帰路へ。
(キャリーを使ったのはドアから車までだった。。)
大阪まで450km。
N-VANはオートクルーズがあるので車中ではキャリーから出して抱っこしたまま片手運転。
施設の犬臭そのままなのでN-VAN、中古で売れないかも?
大阪から持ってきたマッシュドポテト+キャベツミンチミルク蒸し(ちょい甘)を食べさせた。
途中窓の外に向けて「きゅーんきゅーん・・」と鳴くので
(兄弟と離れてさみしいのか・・)と思っていたが、理系的に考えると、仔犬の30cc有るか無いかの脳容量で兄弟愛が有るとは考えられないので他の理由は・・うんこ?
次のSAの芝生にはなすと予想的中。
鳴くたびにSAで停まるのでなかなか進まない。
犬を抱いたままで食堂に入ることもできず、修行の旅となった。
21時、なんとか帰り着いた。
あれから、3週間。体重は約3倍の3.2kg
へそ天大の字で寝こけている。
半眼上目遣い逆三日月の困り目はどこに行ったのか?普通のたれキラキラ目に。
通りかかる老若男女犬猫カラスに人見知りなくしっぽを振り近づいてカワイイを押し付けている。
“自分の場所”でうんこしたくないらしく、我慢できなかったときもあるけど基本外うんこ。おしっこは工具トレイにペットシーツで。
変に泣くな~と思ったら大体おしっこかうんこ・・できるだけ外でしたいみたい。
朝4:00起床、1日5回散歩と、なかなかのハードワーク。
蚊が少なくなったら横の空き地に放り出すだけでいいかもしれない。
目標はトレールドッグ。なれなくても別に構わない。楽しく生きてくれればいい。
旅立った鳥も、残り数時間という命をを伸ばしに伸ばして10年ず~っといっしょに生きてくれた。
今回の犬も、残り1日だった命を、どこまでも伸ばしてほしい。
でも、結末は知ってるし予想もできるけど、たのしく過ごしてほしい。
ということで、自転車に乗せてみた。かなり嫌がってた。ま、死ぬよりマシやろ?
慣れる慣れるー